shine-Notes

ゆるふわ思考ダンプ

2019年末の読書記録(201908~12)

サマリ

  • 折角色々読んでるので、遅きに失した感はあるが備忘録を残す
  • DeepLearningメインにしつつ、色々

DL関係

昨年より引き続き。

つくりながら学ぶ!PyTorchによる発展ディープラーニング

つくりながら学ぶ! PyTorchによる発展ディープラーニング

つくりながら学ぶ! PyTorchによる発展ディープラーニング

入門書は一通り読んだ。しかし世間ではBERTだのTransoformerだの聞き慣れぬ言葉が跳梁跋扈しておる。ええい麿にも触らせろ! そのへんちょっと触らせろ!と思ったら読む本である。めざせDL中級者。
私個人のモチベーションとしては、「もう少し最新のモデルを知りたい」「Pytorchをやってみたい」のふたつで、概ね其の2つは満たせるんじゃないかなぁという本。ただ「発展」というだけあって、真面目に取り組むと咀嚼に時間のかかる歯ごたえの有る概念がとっても多いので実装については一回かっ飛ばして、業務や自習中に実装に迫られた時にもう一回取り出してる。(OpenPose,AnoGANあたりでお世話になっている。論文やQiitaだけをあたるよりも、かなり安心感が有る)
著者のリポジトリが結構親切なのもいい。結局Pytorchについては、Kerasに慣れた読者がこの本だけで突き進むというのは壁があると思ってて、どちらかというとPytorchの作法は他でも確認しつつ、お手本になる実装を見たくなったときもこの本に戻るようにしてる。

ゼロからつくるDeep Learning3(※現在は公開レビューは終了)

note.com 未発売書籍である。だが実は2019年末に作者の公開レビューが開催されており、このタイミングで一通り読んでみた。
このシリーズは1、2でスクラッチDeep Learningを実装してきた訳だが、ついに3ではオリジナルのフレームワーク実装を最初から最後までやる。結果的に計算グラフをどのように実現するのか、自動微分を実現するためにはどのような処理が必要なのか、そして書き下しのコードを徐々にライブラリ化していくことで、ライブラリの作る過程を気づけばなぞっていける。
正直とんでもない本である。発売したら絶対発売日に買う。


それ以外

いったんDeep Learning関係は入門~中級書籍を手元に置けたので止めにして、以下、違うベクトルの本を読もうと思って手にとった本たち。

WTF経済

WTF経済 ―絶望または驚異の未来と我々の選択

WTF経済 ―絶望または驚異の未来と我々の選択

この業界にいると、テクノロジーが世界を変えるんだぜ的な言説をうんざりするほど聞かされて、はいはい分かった分かったから仕事しろ仕事、みたいにしていると偶に気がつけばガチのマジでテクノロジーに仕事が飲み込まれている瞬間がある。特に自分はクラウドボトムアップで市場を変えている現在を綺麗に体験しているので、余計にそう思う。
WTFは、What the fuxx の略語。本書はティム・オラオリーが、シェアリングエコノミーがもたらしたWTFイノベーションについて語りながら、そもそもかつてオープンソースが世に出た時にどのような反応があったか?みたいな話から遡っていく。結局歴史を紐解けば、このあたりの話は割と俯瞰的に見えてくるんである。

リーダブルコード

2019年後半からは必要に応じてコードを書く、という局面が増えてきたので、しっかり古典に当たることにした。言語が変わっても陳腐化せず、かつふとした時に読み返したいTIPSがいっぱいあり、読み継がれるだけの名書なのがよくわかる。あと挿絵が好き。

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス

これも今後何回も読み返したい本。身の回りの上司や後輩を想像して自分の立ち振舞を振り返りながら読むと味わい深い。
パフォーマンスが出ない成績不振者への解雇の章とかを読んで、実はアジャイル開発のようなきめ細かい管理って残酷なくらいデベロッパの実力を見せてくれる=管理側から見るとクビを切りやすい欧米の開発スタイルと相性がとても良い、と気付かされて少し切なくなった。
(本書のキーメッセージではなく、個人的に印象に残った部分)


ポエム

と、ここまで書籍のことを書いてきたが、昨年後半に感じたのは「結局知識が血肉になるのはアウトプットするタイミング」これに尽きる。

前エントリでも挙げた「PythonとKerasによるディープラーニング」で有志の勉強会に参加する機会があったのだけど、一回読んでるし行ける行ける、と試しに発表者として手を挙げたりもした。
とはいえ読んだ内容を自分で再度咀嚼して資料化すると、出るわ出るわ、概念レベルで理解したと思ってたのに全然説明できないところ。けっきょく説明できないということはまだまだ理解できていないだけの話。
良書だなと思ったら一旦は概要をインプットして、仔細なところは他人へのアウトプットや応用で必要になった時に立ち戻る。その時にもう少し深く理解する。これで初めて血肉になるなと想う次第である。


次の展望的な

  • DL関係の書籍の過剰摂取はストップ中。少し毛色の違う本を読んでいるので、また記事にする。
  • ……といいつつ、実は↓を(待ちきれず)買ってしまったので、日本語訳版が出るまでに読み終えるのが目標。

www.oreilly.com